『人望力』

本の学び

『人望力』
(瀧澤中 著)
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南シナ海で作戦遂行中だったアメリカ空母「セオドア・ルーズベルト」でコロナウイルス感染者が出た。

乗組員は5000人。
艦長であるブレッド・クロジャー大佐は乗組員を救うことを決断し、その結果、艦長を解任される。

なぜ人は、その人についていくのか。

二宮尊徳の人望はいかにして成立したか

・村を復興させる方法「報徳仕法」(勤労・分度・推譲)
・率先垂範
・覚悟
・善なる動機

・村を復興させる方法「報徳仕法」(勤労・分度・推譲)

いわば、有効な再建計画と再建哲学である。
これなくして疲弊した農村で人望を得ることはあり得ない。

それはきわめてリアリティの高い手法。
「家畜は『豆』という字の書いてある紙は食べないが、本当の豆なら食べる」ということに尽きる。
つまり、口先だけでなく実益をきちんと上げるということ。

・率先垂範

質素な生活態度はもちろん、危険な作業現場では自らが先頭に立った。

川に堰をつくろうとしたとき、茅葺きの屋根を川に沈める作業を誰も怖がってやろうとしない。

尊徳は「お前たちがやらないなら、私がやる」と言って屋根の上に立ち、縄を切り、屋根を川の中に沈めた。

質素倹約も自ら進んで実践した。

・覚悟

尊徳は桜町を復興するに当たり、次のように述べたという。
(『二宮翁夜話』)
「成功してもしなくても、生涯ここを動くまいと決心しました。たとえ自己で背中に火が燃え移るような状況に立ち至っても、決して動くまいと誓ったのです。」

尊徳は桜町領に来るにあたって小田原の自宅を売却している。
そういう覚悟を示したのである。

・善なる動機

(『二宮翁夜話』)
「生涯一途に世のため人のためばかりを思う。国のため天下のために有益なことばかりを勤める。そうして一人でも一家でも一村でも、困窮を免れて富有になるように、土地も開け、道・橋も整って安穏に渡世できるようにと、それだけを日々の勤めとし、朝夕願い祈っておこたらぬ」

尊徳の人望はつまり、目標を実現するための報徳仕法という「知」を持ち、覚悟を持って率先垂範する「勇」、それは相手をたたきつぶす蛮勇ではなく、相手を懐深くに招き入れる勇気で、「善いことをしても恨まれる」を乗り越えた。
そして何より、利他という「仁」をすべての基礎においていた。
仁なくして、尊徳の知や勇は、生きてこない。

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