2024.04.16 発行
実感教育メルマガ2351号
授業中、常にしゃべっている子がいる
クラスがある。
注意してもやまない。
低学年に多いだろう。
こんなとき、静かにさせるのは簡単だ。
「うるさい!!!」
と、一喝すればいい。
さらに、その男児のところに行き、グッ
とその子の目を見ながら、
「授業中は黙っているものです!
ほかの人が勉強できません!」
と威圧する。
これで10分間はもつ。
10分たつと徐々に緊張が解けて、また
しゃべり始める。
しかし、今度はその男児に目配せをす
るだけで済む。
あるいは、名前を呼んで注意を促すだ
けで済む。
このようにして、学習習慣を身につけ
させるのだ。
しかし、今はこのような指導はNGだ。
なぜNGなのかはひとまず置いておく
として、
それならどうするのか、だ。
1 あきらめてそのまま放置する。
2 効果はほぼないが、
「授業中は黙っています」
と繰り返す。
3 家庭に連絡をして助力を乞う。
4 その他の方法を模索する。
さて、人には旺盛な承認欲求があり、
旺盛すぎてしばしば問題を引き起こす。
多分、この承認欲求によって、
「人は見られた行動が増えていく」
という現象が起きる。
よく言われるが、不適切な行動をと
ったときにそれを注意をしていると、
結果として、不適切な行動が見られて
いるということになり、
その不適切な行動が増えていく。
だから、
(●=不適切な行動 〇=適切な行動)
●●●●●●●●●〇●●●●●●●
このような行動の中の 〇 を見つけ
て、そこに注目するようにする。
ただし、●を無視するのはダメ。
無視するのではなく、注目しない。
「無視する」と「注目しない」の違い
は難しいが、
無視=連絡も接触も一切しない
注目しない=反応するが深く関わらな
い(視線を送る程度)
注目する=声かけ、接触など積極的に
反応する
男児が相変わらずしゃべったり動いた
りしていても、
ときどき視線を送る程度で深く関わら
ないようにする。
(もしこのとき、男児を「無視」する
と、強烈な承認欲求のために、不適
切な行動が強化されることがある)
そして、男児が黙った瞬間や、作業に
取り組んだ瞬間を見つけて、積極的に
反応する。
「〇〇さん、静かにしていてくれて助
かる。ありがとう」
「〇〇さん、ノートにきちんと書けて
いるね」
などと言ったり、そばに言ってよく見
たりする。
さて、このようなことが、教科書的に
推奨される。
教育者として応対すべきことでもある。
しかし…、と私は思う。
上記のような対応をしたからと言って、
すぐに男児の態度が改まることはない。
それこそ、長い長い時間と機会が必要
だ。
それができるか。
常にその子に目をかけ続けられるか。
しゃべっていれば授業の妨げになるし、
他の子の迷惑にもなる。
それを放置して「注目しない」ままで
いられるか。
現実は教科書通りにはいかないのだ。
さて、どうする。
コメント