『いい言葉は、いい仕事をつくる 成功する人はいつも気高い「言葉の灯」をともしている』(岬龍一郎 著)
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私たちは判断に迷ったとき「心の師」がほしくなる。
明快に策や方向を示してくれたらどれほど楽か。
とはいえ、心の師と呼べる人に出会える機会は多くない。
心のよりどころがほしいとき、先人の言葉と静かに向き合う。
言葉を輝かせるのはあくまで自分。
努力の成果なんて目には見えない。
でも、紙一重の薄さも重なれば本の厚さになる。
ーマラソン選手 君原健二
右のような言葉を残した君原健二選手は、東京、メキシコ、ミュンヘンという三つのマラソンに連続出場し、メキシコではみごとに銀メダルを獲得している。
だが、入社直後の八幡製鉄(現新日本製鐵)では、群を抜いた存在ではなかった。
それどころか強力な先輩たちとの練習で、最初は設定 タイムを達成できないレベルだった。
なんとか追いつこうと、君原選手はトラックの集団走では、一番大回りになるアウトコースを走るようにした。
アウトコースは、トラックを一周するとインコースに比べて約六メートル長く走ることになる。
それを一日百周走れば、実に六百メートルよけいに走ったことになる。
それを先輩と同じタイムで走れるようになれば、六百メートルをリードしたことになるというわけだ。
そんな練習をずっと続けたという。
一日にすればほんのわずかな努力かもしれない。
しかし、毎日続けることで確実に力をつけ、やがて日本を代表するマラソンランナーへと成長することができた。
ちなみに君原選手が最も誇りに思っているのは、オリンピックの銀メダルではなく、五十回以上出場したマラソンで途中棄権がただの一度もないということだという。
そうした粘り強さも、日々の積み重ねの賜物といえよう。
コメント
君原選手の努力のあり方もさることながら、誇りに思っていることを読んで胸が熱くなりました。
そして、ノビルブは、ツイッターでの紹介より本を探しやすく、内容もわかりやすくていいと思います。