『ビジネスにうまい文章はいらない 「書き方のマインド」を変える新・文章術55』より

仕事術

『ビジネスにうまい文章はいらない 「書き方のマインド」を変える新・文章術55』(上阪 徹 著)
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一文は短く 60字程度を意識する

実際には、長い文章はとても読みにくいし、わかりにくい。

自分でコピーライターとして文章を書くようになって、改めてそのことに気づいたのでした。

そして、できるだけ平易な言葉で、 短い文章で、それを書き連ねていくことで、わかりやすい文章になることがつかめていったのです。

端的に言えば、長い文章を書こうとするから、 難しいものになってしまうのです。

見た目を意識するだけで、 一気に読みやすくなる

「見た目」に少し気を配るだけで、受け手の印象はまるで変わるからです。

・空きをうまく使う。

・きちんと行替えをする。

・一塊の内容はひとつのブロックに入れる。

相手のことを想像してメールを書く

謙譲語や丁寧語は使っていますが、私自身はそれほど意識していません。

敬語の使い方の本を読んだこともありません。

それよりも大事にしているのは、「相手の立 「場に立ってみる」ということです。

きっと忙しい人のはず。 そういう人から貴重な時間をもらうのです。

そうなれば、出てくるのは、貴重なお時間をいただくということへの感謝の気持ち、そしてそのことへの恐縮する気持ちです。

だからこそ、その気持ちが出てくる言葉を必ず使うようにしています。

受け手が不快な思いになるのは、自分のことをまるで想像してくれていないことではないでしょうか。

だから、できるだけ想像してみる。

そうすることで、出てくる言 葉を使うのです。

例えば、次の4語を私はよく使います。

「メールにて失礼いたします」

「ご多忙な中」

「幸いです」

「恐縮ながら」

提出前に一度は寝かせる

「ああ、これは送る前に読み直しをしていないだろうな」と思われるメールをもらうことがときどきあります。

明らかな誤字脱字。

何が書いてあるのか意味不明。

中には、これは書きかけだったのではないか、と思われる文章がそのまま書かれたメールをもらったこともあります。

とりわけメールは、 必ず読み返したほうがいい。

お客 さまに送るメールなら、2度、3度と読み直してもいい。

そうでないと、ミスが致命的になる可能性がある、ということを認識しておく必要があります。

ひねり出した言葉などいらない

書く仕事をしているんだから、なんでもスラスラ書けるだろう、と勘違いしている人がいますが、それは大いなる勘違いです。

私が4000文字を1時間ほどで書けてしまうのは、しっかり準備ができているからです。

では、準備とは何か。

それは「何を書くのか」という ことが用意できている、ということです。

私はそれを、「素材を用意する」と呼んでいます。

文章は実は「素材」でできているのです。

この 「素材」 さえ、しっかり準備しておけば、書くことに悩まないし、書くスピードは格段に速くなるのです。

文章の「素材」に目を向けるだけで、書くのはグッと ラクになります。

なぜなら、すでにある素材を並べ替えればいいだけだからです。

文章は、それでいいのです。

十分な素材がなければ、文章のプロたる彼らとて文章を書くことはできない

私は、ブックライターとして、若い書き手を前に話す機会があります。

そのとき、「自分の仕事は、「書く仕事」というよりも「聞く仕事」だと考えている」という話をします。

たしかに、私のアウトプットは「書くこと」です。

しかし、書くことはあくまでプロセスの1つ、

しかも一番最後のプロセスにすぎません。

私が一番重視しているのは、書く前の準備、 つまり「取材」 です。

取材とは 「素材を集めること」であり、「聞く仕事」です。

取材でどんな素材を集められるかによって、原稿のクオリティは決まります。

いい素材が手に入らなければ、絶対に、いい文章は書けない。

誰に向けて、を考えると書きやすくなる

例えば取引先に提案書を書く。

このとき、漠然と「取引先に」向けて書こうとすると悩むことになるでしょう。

そこで、対象をはっきり定めます。

例えば、「取引先の担当者」なのか「その上司の課長」なのか 「その上の部長」なのかを考える。

その人をイメージして書いてみるのです。

「誰が読むのか」 をイメージできれば、 何を書かなければいけないか、がイメージしやすくなる のです。

それこそ私は、「今、カフェで相手が目の前に座っているとすれば、どんなふうに話すか。それをそのまま文 章にしたらいい」とよく言っています。

文章だから、と肩に力を入れる必要はありません。

先にも書いたように、単なるツールなのです。

しゃべるのも文章も同じ。

「ターゲット」と「真の目的」の2つを揃え ると、「素材」が一気に浮かび上がってくる

●文章テーマ 「化粧品」

これでは、あまりに漠然としています。

何を書いていいかわからないでしょう。

では、「ターゲット」と「真の目的」でこんな組み合 わせをしてみたら、 どうでしょうか。

●「20代女性に向けて」 → 「アレルギーの啓蒙」

● 「高校生に向けて」 → 「5分でワンポイントメイク」
● 「小学生に向けて」→ 「化粧品のお仕事」

こんなふうに「ターゲット」と「真の目的」をピック アップできれば、素材がグッと考えやすくなる。

素材とは、「事実」「数字」「エピソード (コメント)」 だと書きましたが、 すぐ手元に資料やデータがなくても、ネットで調べたり、参考文献を当たったりするヒントにすることができます。

「感想文」をすばやく書く方法

やるべきは、研修のスタート時点からどんどんメモを取っていくことです。

どんな場所で行われるのか。

何人くらいいるのか。

受けている人たちの表情はどうか。

講師の印象は。

どんな話をして、どんな内容が印象に残ったか……。

自分で「取材」をするのです。

「そして、素材となる「事実」「数字」「エピソード (コ メント)」をとらえて、どんどんメモしていく。

それはそのまま、感想文の素材になります。

目の前に読み手がいるとしたら、で考える

どんなふうにして、その構成を考えていくのか。

考え方は、とてもシンプルです。

「もし、目の前に読み手が座っているとすれば、どんな流れで話をしていくか」

私はよく「しゃべるように書けばいい」と言いますが、 実は人は誰かとしゃべるとき、意外に論理的にしゃべっているものです。

文章を書くときも、これと同じです。

対象となる ターゲットを思い浮かべて、「まずこの話をして、それからこの話、その次にこれを話して」と、同じように論理展開をしていけばいいのです。

だから、私はどんな文章を考えるときも、しゃべるつもりで考えています。

そのほうが、話は早いからです。

簡単に構成が思い浮かぶからです。

ちょっとだけ違うのは、文章には書き出しというものがあることです。

これだけは別に考えます。

御礼メールに、一行だけ、具体的な内容を入れる

お世話になります。

納品くださり、ありがとうございます。

とてもいいと思います。

よろしくお願いいたします。

お世話になります。

納品くださり、ありがとうございます。

とてもいいと思います。

特に第2章の冒頭の書き出し、グッときました。

よろしくお願いいたします。

たった一行、書き加えるだけで、こんなに印象が変わってくることがおわかりいただけたでしょうか。

200字の「企画のねらい」は、こう書く

企画とは何か。

私が考えるのは、「何かの課題を解決できる」「困っている人(会社・業界など) の役に立つ」「まだ知られていないことを世に知らしめる」ということです。

したがって、企画の考え方はこういうものになります。

企画の考え方

こんな課題がある

それに対して、こんな提案をしたい

そうすれば、こんな利益が待っている

大きくこういう流れです。

ネタは外の世界に触れて出てくるもの 世の中に有り余るほどある

ブログを書いている人から、「書くネタがなかなか見 「つからない」という話を聞いたことがあります。

定期的にブログで情報発信をしていきたいが、いつも書くことに困ってしまう、と。

こういうとき、いつも私がお尋ねしているのが、「もしかして、パソコンの前に座ってネタを考えているのではないですか」です。

そうすると、ほとんどの方がうなずかれます。

それでは難しいと思います。

パソコンの前に座っていて出てくるものではなく、外の世界に触れて出てくるものだということです。

それこそ、私は書く仕事をしていますが、パソコンの 前でじっと座っているわけではまったくありません。

多くの時間は、取材で外に出ています。

書いているのは、聞いたことであれ、見たことであれ、ほとんどが外から得られた情報なのです。

突然、浮かんでくる ネタをうまくつかむ

ネタは外にある、という話をしましたが、実は観察はいろいろしているのだ、という人も少なくないかもしれません。

ただ、それは見ているだけで終わってしまっているのだと私は思っています。

見ているだけでは、間違いなく忘れます。

先にも書いたように、人間は忘れる生き物なのです。

だから、やらなければいけないのは、メモを取ることです。

気になったことは、どんどんメモしていく。

とに かくキーワードだけでもいいので、放り込んでおく。

そうすることで、忘れることを防ぐことができます。

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