『科学的に自分を思い通りに動かす セルフコントロール大全』(堀田秀吾,木島豪 著)
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・「体が先に動いたあとに脳が反応する」ことが、近年の科学の常識
・集中力が切れてネットサーフィンをしたい欲求に駆られたら、とりあえず2分程度きちんと休んでみる
・かわいい写真を見るだけで、仕事に対する集中力がアップ
・創造性は散らかった環境でこそ発揮される
・無音~50デシベル程度の静かな環境よりも、70デシベルくらいの騒音がある環境のほうが、創造性が高くなる
・新しい環境にいるだけでやる気がでる
・パーキンソンの法則 第1法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
・あまり 価値を見出だせない仕事だったとしても、仲間と和気あいあいと働いていれば、それほど不満を感じたり、やる気が低下したりせずにできる
・覚えたことを脳に定着させる活は休憩中に活発に行われる
・「目を閉じるだけ+タオルで顔をふく」が最もリラックス効果があり、休憩後のパフォーマンスがアップしたことがわかった
・ただ会話するよりも、何かを抱きしめるだけで通常よりも幸せホルモンがでて寂しさが緩和できる
・目標と行動の約束を書き、進捗状況を書くと達成率が上がる
・背筋伸ばす人は、ポジティブな自己評価が多く、自分の考えに自信を持ち、将来についてもポジティブに考えることができる
・まったく同じ課題を「楽しい課題」だと伝えたところ、それだけで数学の練習をする人が増えた
・音読をすると記憶に残りやすくなり、書くと覚えがよくなる
・「人に教える」と思うだけで勉強ができる
・他人と一緒に議論しながら勉強をする場合、効果的な学習ができる
・散歩をすると成績がよくなる
・ポジティブな記憶を思い返すだけで、ストレスや自己否定感が減少する
・テトリスが食べ過ぎを防ぐ
・「体が先に動いたあとに脳が反応する」ことが、近年の科学の常識
筆者の私たちも昔は「脳が指令をだしてから体が動く」という順番だと思っていましたが、動作とセットで脳波を測定する実験などから、「脳→体」の順番ではないという結果がスタンダード
カリフォルニア大学のリベットらの研究では、「◯◯しよう」と思う脳の意識の信号よりも、その動作をするために脳がだす信号のほうが、平均で0.35秒早いという
努力に関する言葉を見ることでモチベーションが上がり、さらにポジティブな言葉と組み合わさるとより効果的
・集中力が切れてネットサーフィンをしたい欲求に駆られたら、とりあえず2分程度きちんと休んでみる
カンタベリー大学のヘルトンとラッセルによる研究で、モニター上に現れる楕円の位置を認識し続けてもらうテストをする際に、被験者を下記3つのグループにわけました。
① 約2分の休憩を取る
② 数字や文字といった別の課題をはさむ
③ 作業し続ける
すると、①の休憩を取ったグループの成績が1番よく、③の作業をし続けたグループが一番悪かったという
・かわいい写真を見るだけで、仕事に対する集中力がアップ
ちなみに、入戸野らは「かわいい」という感情の機能を調べる実験も行っている。
その結果、「かわいい」と思うと、そのかわいさをより味わうべく、物事の細部に注目する機能が高まることが判明。
課題Aや課題Bの成績向上につながったのは、細部への注意力が高まったことが理由。
・創造性は散らかった環境でこそ発揮される
ヴォーズの研究では、48名の被験者を下記の2つの部屋にわけました。
① 書類がきっちりと机の上に片付けられている「整頓された部屋」
② 書類が机の上や床に散乱している「散らかった部屋」
そして、ピンポン玉の製造会社のためにピンポン玉の新しい使い方を考えるという、創造性を問う課題を与えました。
すると、散らかった部屋の被験者のほうが、創造性が高くなるという結果
・無音~50デシベル程度の静かな環境よりも、70デシベルくらいの騒音がある環境のほうが、創造性が高くなる
繁華街やバス車内、カフェなどがちょうど70デシベルの騒音の場所
・新しい環境にいるだけでやる気がでる
脳は、同じ刺激を受け続けると効率的に脳を働かせるために、刺激を刺激と感じないように勝手にオフモードにします。
自宅で仕事をしていると、周囲の環境がずっと同じわけですから、脳へも同じ刺激が与えられ続けます。
結果、 脳がオフモードになり機能停止し、仕事モードへの切り替えが難しくなる
被験者132人の移動の様子をGPSで3~4ヵ月にわたって記録し、その感情の変化を調査しました。
すると、場所の変化が多いほど、ポジティブな感情が高かったという結果になった
・パーキンソンの法則 第1法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
要するに、 時間をすべて使うために合間合間でサボって、与えられた仕事が時間ぴったりに終わるような調整を本能的にしてしまうわけです。
第2法則にもあるように、人間はキャパシティを事前に示されると、それに合わせてしまう生き物
・あまり 価値を見出だせない仕事だったとしても、仲間と和気あいあいと働いていれば、それほど不満を感じたり、やる気が低下したりせずにできる
人間は、コミュニケーションをとることで、幸せホルモンであるセロトニンやオキシトシンの分泌を促し、精神衛生を保ちます。
ですから、あまり 価値を見出だせない仕事だったとしても、仲間と和気あいあいと働いていれば、それほど不満を感じたり、やる気が低下したりせずにできる
・覚えたことを脳に定着させる活は休憩中に活発に行われる
アメリカ国立神経疾患・脳卒中研究所のブンストラップらの研究で、被験者は10秒間のタイピング課題を行ったあと、10秒間の休憩を取るルーティンを35回実行しました。
その結果、休憩を取らずにタイピングしたときよりも、10秒間休憩したほうが課題の習熟度が高くなりました
効率よくやりたいときこそ、タイマーなどを使って時間を区切って、こまめに休憩を取ることが大切
①ぼーっとする、ストレッチをするなど「リラックス系」の活動、もしくは、同僚とのおしゃべりなどの「社交系」の休憩をする →仕事の大変さを軽減させることに役立つ
②新聞を読む、メールをチェックするなど「認知活動系」 →昼食後の仕事を大変だと感じやすくなり、終業後の疲労感が高まる
③お菓子を食べる、飲み物を飲むなど「おやつ・飲料系」の活動 →基本的には無効果。ただ、カフェインの摂取は、仕事の大変さを軽減させることに
仮に休憩を取る余裕がないくらい忙しい日であったとしても、少なくともタスクの進め方を工夫したいところです。
タスクA・B・Cをこなさなければいけない場合、Aが終わってからB、Bが終わったらCと行うよりも、Aを1時間やったら気分転換としてB、また1時間経ったらC、といったようにローテーションしながら作業するほうが効率的
・「目を閉じるだけ+タオルで顔をふく」が最もリラックス効果があり、休憩後のパフォーマンスがアップしたことがわかった
① 目を閉じるだけ
② 目を閉じて音楽を聴いてもらう
そのあと、休憩前後の課題の完成度、眠気、集中度の差に加え、脳波を測定します。
結果、「目を閉じるだけ+タオルで顔をふく」が最もリラックス効果があり、休憩後のパフォーマンスがアップしたことがわかった
・ただ会話するよりも、何かを抱きしめるだけで通常よりも幸せホルモンがでて寂しさが緩和できる
実験は、下記2つのグループにわけて15分間会話をしてもらい、会話開始前と終了後に血液と唾液を採取して、その成分を比較するというものでした。
① 単に電話で会話をするグループ
② 何かを抱きしめながら電話で話すグループ
するとグループ②のほうは、オキシトシンが増加していたのです。
ただ会話するよりも、何かを抱きしめるだけで通常よりも幸せホルモンがでて寂しさが緩和できる
・目標と行動の約束を書き、進捗状況を書くと達成率が上がる
マシューズは、アメリカ・ベルギー・イギリス・インド・オーストラリア・日本からさまざまな業種の267人を集め、目標を設定し、達成に向けて努力する下記5つのグループを作りました。
それぞれのグループが何をするかはお任せで、マシューズが指示したのは目標の扱いだけです。
① 目標を書かない(ただ思い浮かべるだけ)
② 目標を書く
③ 目標と行動の約束を書く
④ 友達宛てに目標と行動の約束を書く
⑤ 友達宛てに目標と行動の約束と進捗記録を書く
以上のような5グループの目的達成率は、グループ①と比較して、
②が約1.2倍、
③が約1.4倍、
④が約1.5倍、
⑤が約1.8倍
という驚きの結果
・背筋伸ばす人は、ポジティブな自己評価が多く、自分の考えに自信を持ち、将来についてもポジティブに考えることができる
姿勢とメンタルについての研究
カルガリー大学のリスカインドとテキサスA&M大学のゴティらの研究によると、背筋を丸めている被験者たちは、無力感やストレスを感じる傾向が高まるという結果がでました。
マドリッド自治大学のブリニョールらの研究で、背筋伸ばした被験者たちは、ポジティブな自己評価が多く、自分の考えに自信を持ち、将来についてもポジティブに考えることができる傾向があったとのこと
・まったく同じ課題を「楽しい課題」だと伝えたところ、それだけで数学の練習をする人が増えた
・音読をすると記憶に残りやすくなり、書くと覚えがよくなる
勉強時の記憶に関する研究
福岡教育大学の森の研究では、脳はより強い刺激を受ける「音読」をすると記憶に残りやすくなるという結果があります。
また、プリンストン大学のミューラーとカルフォルニア大学ロサンゼルス校のオッペンハイマーの研究では、「書く」という行動を取ると覚えがよくなるという研究結果が公表されている
・「人に教える」と思うだけで勉強ができる
ネストイコらは、56人の大学生を以下の3つのグループにわけました。
① あとで人に教えることを前提にしたグループ
② あとでテストを受けることを前提としたグループ
③ 何も前提としないグループ
自由記述と短答式の双方で、グループ①の成績が一番いい結果になりました
・他人と一緒に議論しながら勉強をする場合、効果的な学習ができる
ワシントン大学セントルイス校のソイヤーとバートンによるグループワークのダイナミクスを観察した研究によれば、他人と一緒に議論しながら勉強をする場合、効果的な学習ができるとのことです。
議論するときに、ノートに落としていた視線を上げて、学んだ内容を自分の言葉で咀嚼することで、より深い理解が得られる
・散歩をすると成績がよくなる
イリノイ大学のサラスらは、被験者を以下の2つのグループに分けました。
① 10分散歩するグループ
② 10分座って風景写真を見るグループ
①と②のグループ、それぞれの行動のあとに名詞を覚えてもらい、もう1度10分間同じ行動をしてからテストを実施しました。
すると、グループ①のほうが②よりも25%成績がよくなるといった結果が。
・ポジティブな記憶を思い返すだけで、ストレスや自己否定感が減少する
ストレスが少ない状態で目覚めるためのヒントになるのが、ケンブリッジ大学のアスケルンドらによる研究です。
寝起きの研究
427人の被験者に、ネガティブな記憶とポジティブな記憶を思いださせ、1分後にその反応を調べました。
すると、ポジティブな記憶を思い返すだけで、ストレスや自己否定感が減少するという結果がでている
・テトリスが食べ過ぎを防ぐ
プリマス大学のブラウンらの研究によると、テトリスで3分程度遊ぶことによって、食欲以外にも、性欲や睡眠欲などが減少することがわかっています。
「何かをする」ことで、脳の注意を空腹やさまざまな欲求から逸らす効果があるのです。
その理屈でいえば、ゲームならどれでも効果があるように思えますが、短時間であまり考えずにできるテトリスのようなパズルゲームがベスト
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