『今日がもっと楽しくなる行動最適化大全 ベストタイムにベストルーティンで常に「最高の1日」を作り出す』より

仕事術

『今日がもっと楽しくなる行動最適化大全 ベストタイムにベストルーティンで常に「最高の1日」を作り出す』(樺沢 紫苑 著)

疲れすぎる前にこまめに休む。目安としては50分仕事をして10分休

デスクタイムという仕事時間計測ソフトを使った研究でも、最も生産性の高い上位10%の人たちは52分仕事をして17分休憩をとる、というパターンで仕事をしていたことがあきらかになったのです。

また別の研究では、疲労をためすぎた後の休憩では疲労回復しない。

それどころか、その疲労は睡眠でも回復せず、翌日に持ち越されることがわかりました。

立ってでもできる仕事は立って行うことでリフ レッシュできる

前述したように、運動は最高の休憩なので 「書類を読む」「電話する」のような、立ってでもできる仕事は立って行うことでリフ レッシュできます。

または、「この書類、総務まで持って行って」と部下に頼むところを自分で持って行ったり、コピーのような単純作業をしたり、立って仕事を行うことで、ちょっとした 「運動」になります。

このように仕事時間中であっても、1時間に1回、「立つ」 「歩く」 を入れるだけでも気分転換になり、休憩効果は得られるのです。

「勉強をするときに音楽をかけると、著しく効率が下がる」という研究が多い

音楽と仕事、勉強効率を調べた研究はたくさんあります。

それらを要約すると、 音楽ファンにはたいへん残念な結果ではありますが、「勉強をするときに音楽をかけると、著しく効率が下がる」という研究が多いのです。

たとえば、スコットランドのグラスゴー・カレドニアン大学の研究によると、「テンポの速い曲」「テンポの遅い曲」「環境音」「無音」の4つの条件下で記憶力、注意力などを調べたところ、「無音」が最も得点が高く、「音楽」「環境音」があると全て得点が低下したのです。

作業に関係のない音があることで、静かな環境のときよりも作業効率が悪化することは「無関連音効果」と呼ばれます。

人間の脳は、マルチタスクができないので、「仕事・勉強」と 「音楽」のマルチタスクを強いることによって、脳のパフォーマンスは低下するのです。

特に「歌詞」のある音楽は、言語脳に負荷をかけるので、よりパ フォーマンスは下がります。

一方で、東北大学の研究によると、テンポの速い曲を聴いた後に 記憶力の検査を行うと、記憶力がアップしたというデータがあります。

「好きな音楽」を聴くと、集中力や記憶力をアップさせる学習物質ドーパミンが分泌されるという研究もある

仕事 (勉強) 前に自分の好きな曲、テンポの速い曲を聴き、気分を上げる。

仕事を開始したら音楽は止めて、静かな環境で集中する。

また、休憩時間に音楽を聴き気分転換する。

このように上手に音楽を活用すると、あなたの仕事効率、勉強効率は大きくアップします。

音楽は、作業スピード、運動、気分に対してはプラスに働く

外科のドクターは、手術中に自分のお気に入りの音楽をかける人が多いのですが、知的作業であっても、「段取り」「手順」「次に何をするか」が決まっているものは、むしろ 「手作業」に近いので音楽があった方がはかどるのです。

運動系の仕事では、作業中の音楽は効果大!

仕事中に音楽を聴くと、パフォーマンスが下がるといいました。

これは、パソコン作業や書類作成、計算などの知的作業の場合です。

オートメーションの流れ作業、箱を組み立てるなど、手先を動かすような単純作業の場合、音楽をかけた方が作業効率は上がります。

「環境音、少しの雑音」の影響は、個人差がある

スウェーデンのストックホルム大学の研究によると、普段集中力が足りない生徒にホワイトノイズ (テレビの砂嵐のような音) を聞かせると学習効果が上がりました。

逆に集中力が高い生徒にホワイトノイズを聞かせると、学習効果は低下したのです。

つまり、「環境音、少しの雑音」の影響は、個人差があるということです。

カフェで仕事をすると 「仕事がはかどる人」と「気が散る人」に分かれるのもそういうことです。

東京大学の池谷裕二教授の研究によると、「60分の学習」よりも「15分×3(計45分)の学習」の方が、 学習効率が高いという結果

「15-45-90分の法則」を意識することです。

仕事や勉強を、15分刻みにして一気に片付け、小休止を入れる。45分か90分おき、疲れすぎる前の休憩を意識しましょう。

継の秘訣は記録すること

記録すると、「何日連続でやっているか」あるいは「何日連続でサボっているか」を正確に把握することができます。

やらない日は「×」と記録する。

そうすると罪悪感が出ます。

×が2つ続く。

それを「見る」ことで、明日は「やらないと」という気持ちが湧いてくるのです。

記録したものを視覚的に確認する 「視覚化」 も重要です。

文章だけで理解するよりも、イラスト、図、グラフなどの視覚を併用することで6倍以上記憶に残るという研究結果があります。

視覚化は、脳を6倍刺激するのです。

三日坊主を防ぐ、「3日ルール」

絶対に三日坊主にならない方法を考えました。

「2日連続でできなかった場合、3日目は必ず行う」という「3日ルール」を守ればいいのです。

「3日ルール」を守る限り、あなたの目標は、何ヶ月でも、何年でも続けることができます。

好意の1対2対7の法則

次のような、ユダヤ教の教えがあります。

「10人の人がいるとしたら、そのうちの1人はどんなことがあってもあなたを批判する。

あなたを嫌ってくるし、こちらもその人のことを好きになれない。

そして10人のうちの2人は、互いに全てを受け入れ合える親友になれる。

残りの7人は、どちらでもない人々だ」

これは4000年前から伝わるユダヤ人の知恵ですが、私は、この教えを知る前から自分の経験に基づいて同じことをセミナーで話していました。

10人いたら、あなたを嫌う人は1人、あなたを好きな人は2人、どちらでもない人が残りの7人です。

あなたの会社や所属しているグループを見ても、ほぼこの割合ではないでしょうか。

重要なのは、どこの職場、チーム、コミュニティに移動しても、「自分を嫌う人」「ソリの合わない人」は必ずいるということです。

またよく観察すると、その2倍以上の味方、自分の応援者がいるのです。

これを私は、「好意の1対2対7の法則」と呼んでいます。

10人全てから嫌われることもなければ、10人全てから好かれることもありません。

しかし不思議なことに、多くの人は、「みんなと仲良くしなければならない」と思い込んでいます。

小学校からの刷り込みなのでしょうが、実際はみんなと仲良くする必要などないのです。

最低限の仕事に差し支えのないコミュニケーションがあれば十分。

仕事上のドライな関係でいいのです。

私は、自分を嫌う人がいた場合、「ああ、10人に1人がここにいたのか」と思うだけでスルーします。

たくさんの人と会えば会うほど、一定の確率で出現する 「攻撃星人」。

あなたの精神エネルギーと大切な時間は、あなたを嫌う人のためではなく、あなたにとって大切な人のために使うべきなのです。

「攻撃星人」に対する最も効果的な対処法は、「ありがとう」と言うことと、親切にすること

悪口や嫌みを言われたら、ついつい反撃したくなるものですが、それこそ相手の思うツボです。

「攻撃星人」は、愉快犯なので、相手が 「怒る」 「反論する」「嫌な顔をする」ほど喜びます。

そして、さらにあなたへの攻撃を強めるでしょう。

だから、反撃すればするほど、関係性は悪化し、泥沼化していくのです。

あなたがするべきことは、満面の笑みで 「ありがとう」と言うことです。

さらに、「相手のためにできること」「相手のためになる親切」をできるだけします。

親切にする人、される人両方に、愛情物質のオキシトシンが分泌されるので、あなたが「攻撃星人」に親切にすればするほど、 相手はあなたに対する「好意度」が強制的にアップしてしまい、攻撃す ることができなくなるのです。

悪口や批判が多い人は、そうでない人よりも認知症になる確率が3倍も高い

悪口を言うとストレスが増え、免疫力を低下させ、約5歳も寿命を縮めることが報告されています。

悪口を言うと、ストレスを受けたときに分泌されるコルチゾールの分泌が過多になり、身体の免疫力を低下させ、様々な病気の原因をつくります。

またコミュニケーションや人間関係も悪化させます。 陰口でも同じことです。

「Aさんのことが嫌い」と口に出すと、「Aさんが嫌い」という記憶や感情を自分の脳内で強化します。

そうした感情は、無意識のうちに非言語コミュニケーションに表れ、Aさんにも伝わり、Aさんとの人間関係はさらに悪化していくでしょう。

ポジティブワードをネガティブワードの3倍発する

人間の幸福を研究するポジティブ心理学では、「ネガティブな言葉を発してはいけない」とはいいません。

むしろ、「ネガティブな言葉は言っていい」「マイナスを吐き出してもいい」といいます。

重要なのは割合です。

ポジティブとネガティブの比率(PN比) を「3対1」以上にすることが大切なのです。

つまり、ネガティブワード1に対して、3倍以上のポジティブな言葉を言えば、多少のネガティブな言葉は吐き出してもOKというわけです。

アメリカのノースカロライナ大学の研究で職場におけるPN比を調べたところ、PN比が3対1以上の、普段からポジティブな言葉の多いチームは、職場の雰囲気がよいだけでなく、高い利益を上げていたという結果が出ました。

感情をコントロールする脳内物質は、セロトニン

セロトニンの分泌が低下すると、感情のコントロールができなくなり、切れやすい、怒りっぽい、イライラする、不安になるなどの症状が現れます。

仕事が忙しい、ストレスが多い状態が続いていると、脳疲労で脳が「お疲れモード」の状態になり、セロトニンの分泌が低下し、感情が不安定になります。

朝散歩は、健康な人であれば、 体調を維持するという意味で5~10分の短時間でも効果が得られます。

しかし、「感情が不安定な人」がそれを改善するには、低下したセロトニンを高めていくことが必要なので、15~30分の朝散歩の継続が求められます (週に数回でも可)。

日常的に6時間睡眠以下の人は、「感情の不安定さ」 がもうすでに 出ている可能性がある

必要な睡眠時間は7時間以上です。

睡眠をきちんととることで感情は安定します。

たった1時間睡眠を増やすだけで、「仕事や人間関 係が順調になる」と思えば、それはものすごく有効な時間投資といえるのではないでしょうか。

ストレス発散の最も効果的な方法は、「ガス抜き」です。

自分のストレスの原因や心配事を「人に話す」ということ。

「相談」と言い換えてもいいのですが、「相談」「問題解決」という印象が強く、「ガス抜き」は、ただ「悩んでいること」「思ってい ること」を、友人などに話すだけという違いがあります。

「ガス抜き」は、問題を解決する必要はなく、アドバイスをもらう必要でもありません。

誰にも話さないで一人で悩んでいると、ストレスはどんどん増えていきますが、他人に心の内を話すだけで、ストレスはどんどん減っていくのです。

人に悩みを話す、打ち明ける「ガス抜き」で、ストレスの9割は消えるといっていいでしょう。

3つの幸福のバランスを考える

セロトニン的幸福とは、一言でいうと「心と身体の健康」

「体調がいい」「気分がいい」という状態、あるいは調子がいいからこそ感じられる 「気持ちがいい」「清々しい」「爽やか」 という 「気分」「感情」「体感」などは全てセロトニン的幸福です。

オキシトシン的幸福とは、一言でいうと 「つながり」の幸福。

他者との交流、関係によって生まれる幸福全てです。

誰かと一緒にいて 「楽しい」「うれしい」「安らぐ」のが、オキシトシン的な幸福。

夫婦関係、恋人などの恋愛関係や親子、兄弟など 家族のつながり。

ドーパミン的幸福とは、一言でいうと 「お金や成功」の幸福。

「やったー!」 と叫びたくなるような達成感や充実感です。

お金や財産、富、目標達成、自己成長など。

また褒められたり、承認されたりすること。

物欲、金銭欲、名誉欲、食欲、性欲。

遊びや趣味で楽しいと感じるときに、ドーパミンが分泌されます。

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