『最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM』より

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『最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM』(山田悠史 著)
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・米国老年医学会が提言する健康な老後に不可欠な「5つのM」
 Mobility からだ
 Mind こころ
 Medicarions くすり
 Multicomplexity よぼう
 Matters Most to Me いきがい
・加齢にはメリットもある
 知恵が抱負になる
 多様な病原体に対する免疫を獲得できる
 アレルギーが改善する
 偏頭痛も改善する
 受けられるサービスが増える
 自由時間を確保できる
・転倒が高齢者の人生を狂わせる
・運動は将来の健康に深く関わる
・どのくらい運動をすればよいか。科学が導く答え場「まず0より1」というもの
・エピソード記憶や作業記憶、遂行機能は加齢だけで低下しやすい
・歳をとったからといって全ての脳の機能が衰えてしまうわけではない
・科学的根拠のある認知症の予防法はない
・夜の飲酒は、入眠にはつながるが睡眠の質は悪化する
・米国や欧州では「胸部X線」と「心電図」はもうやっていない
・健康診断はエビデンスが構築しづらい
・「最高の老後」のため、生きがいを大切に
・「最高の老後」のため、意志決定を代行する人を決めておく
・歳を重ねることの否定は、生きることの否定
・「歳だから」をやめてみる

・米国老年医学会が提言する健康な老後に不可欠な「5つのM」 Mobility からだ Mind こころ Medicarions くすり Multicomplexity よぼう Matters Most to Me いきがい

・加齢にはメリットもある 知恵が抱負になる 多様な病原体に対する免疫を獲得できる アレルギーが改善する 偏頭痛も改善する 受けられるサービスが増える 自由時間を確保できる

空間認識や言語能力、言語記憶などは、20代の時よりもむしろ40~50代のほうが能力値の平均が高い。

年齢を積み重ねる中で得た「経験」は何ものにも代えがたく、それが知恵となって衰えた部分を補う。

風邪をひく頻度も少なくなる。

IgEと呼ばれるアレルギーに関する抗体が、年齢とともに減っていく。

・転倒が高齢者の人生を狂わせる

過去の報告によると、65歳以上の2~3割の人が1年に1回以上転倒。

80歳以上になるとさらに1割増加。

1度転んだ人はまた転ぶ。

2回以上つまずいただけで翌年転ぶ確率が2.3倍以上

・運動は将来の健康に深く関わる

リスク低下という点で言えば、運動は死亡、心血管疾患、高血圧などのリスクを低減。

・どのくらい運動をすればよいか。科学が導く答え場「まず0より1」というもの

運動なんてちょっとやっただけでは意味がない、と考える方もいるかもしれないが、実際にはそうでもない。

週に150分未満の運動をしている人や、週末にだけ運動をしている人でも死亡リスクが約6~7割に減少するという相関が見られることがわかった。

・エピソード記憶や作業記憶、遂行機能は加齢だけで低下しやすい

これらの機能は60歳以降に低下しはじめ、加齢とともに加速度的に低下する。

物事の処理能力が低下し、時間がかかるようになるため、話す速度もゆっくりになる傾向。

・歳をとったからといって全ての脳の機能が衰えてしまうわけではない

見慣れた者や顔を認識する能力、距離の判断は障害にわたって安定し、若年層よりもよい場合すらある。

語彙や一般的な知識なども比較的保たれやすい。

・科学的根拠のある認知症の予防法はない

認知症を防ぐ食事法、認知症にならない栄養などいった書籍や広告は、科学に忠実ではないものばかりで、十分な科学的根拠を欠く仮説でしかない。

楽観論もあり、複数の先進国から、認知症の発症率が年々減少しているとする報告がある。

私たちが今行っている介入が何らかの形で認知症を減らすことに寄与しているのかもしれない。

・夜の飲酒は、入眠にはつながるが睡眠の質は悪化する

アルコール自体には催眠作用があるが、アルコールが代謝されると今度は睡眠障害を引き起こすと考えられている。

・米国や欧州では「胸部X線」と「心電図」はもうやっていない

肺がんのスクリーニングとしての胸部X線についてはこれまで少なくとも6つの大規模ランダム化比較試験でその有用性が否定されており、

米国や欧州諸国では、肺がんのスクリーニング検査として胸部X線検査は推奨できない、としている。

心電図検査についても、臨床試験において無症状のリスクの低い健常者に行うことには有用性が確認できず、米国や欧州諸国で「推奨できない」とされている。

・健康診断はエビデンスが構築しづらい

欧米諸国では国際共同試験などというかたちで多数の参加者を集めた臨床試験が行われているが、日本にそのような土壌があまりなく、現在のところは残念ながら田子句のエビデンスを借りてきているような状況。

米国人のデータが日本人に適応できるのか、という疑問はごもっともで、人種によって結果が異なることは十分にあり得る。

・「最高の老後」のため、生きがいを大切に

科学的な根拠に基づいた健康的に歳を重ねる方法が、たとえ多くの人にプラスと思われても、それらがあなたの「生きがい」を損ねてしまうのであれば、あなたにとってはマイナスである可能性がある。

生きがいは、全てのエビデンスを覆すほど、大きな力のあるものかもしれない。

・「最高の老後」のため、意志決定を代行する人を決めておく

自分が意志決定ができなくなったときのための人を決めておく。

米国では、ヘルスケア・プロキシーの概念が比較的浸透しており、多くの人が、すぐに誰かを答えることができる。

・歳を重ねることの否定は、生きることの否定

エイジズムとは、年齢に基づいた他者あるいは自分自身への固定観念、偏見や先入観、そして差別のことを意味する言葉。

「歳だから」もしこんな言葉が自然に口から出てきたら、少なからずそういった考えがあるものかもしれない。

「もう歳だから仕事はやめたほうがいい」そう言って、まだできると思っている自分あるいは他者を納得させ、気がついたら貴重な仕事の機会、社会とつながる機会を先入観で奪ってしまっているかもしれない。

複数の研究から、エイジズムが身体的・精神的な健康、社会的なウェル・ビーイングに有害であること、また経済状況にも悪い影響をもたらすことは明らかになっている。

歳を重ねることは生きること。

歳を重ねることの否定は、生きることの否定。

・「歳だから」をやめてみる

まずは「歳だから」「まだ若いから」の言葉で思考停止してしまっていることに気がつくこと。

そしてそのセリフをやめてみること、年齢による先入観を捨て、年齢に関係ない自分のよさに目を向けること。

そうすることで、今まで見えていなかった、また別の価値が見えてくるかもしれない。

それこそが老化を防ぎ、「最高の老後」を過ごすために、最も優れた方法になるかもしれない。

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