『「本当の自分」がわかる心理学~すべての悩みを解決する鍵は自分の中にある』より

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『「本当の自分」がわかる心理学~すべての悩みを解決する鍵は自分の中にある』(シュテファニー・シュタール 著)

・「内なる子ども」が私たちの認識、感情、思考、行動の多くを決めている
・繰り返し問題を起こすのは、心の中の影子の部分
・基本的信頼感が育まれた人は、自分に対する信頼感ももっている
・自分の嫉みや劣等感を認めることができないと、相手を攻撃してしまう可能性がある
・基本的欲求=「結びつき欲求」「自由欲求」「快感欲求」「承認欲求」が満たされると気分がよくなる
・「結びつき欲求」=つながりたい、属したい、関わりたい、が満たされないと結びつき能力が低下する
・「自由欲求」=自分の周りを自分で自由に探り、何かを発見したい、が満たされないと主体性の成長が妨げられる
・社会の中で生き延びていくためには、快感と不快感を制御することを覚えていかなければならない
・自己価値観が不安定な人は、自己価値観が安定している人と比べて、物事を決定する際に他者からの承認を多く必要とする
・ある人とのネガティブな経験が1つあると、その人との100のポジティブな経験が帳消しになる
・影子と一体化した自分に気付き「大人の自分」がいる現実に自分を引き戻す
・ネガティブな感情から抜け出すには、他のことに注意を向けるようにしてみる
・気難しい人の心の中には、ひどい傷を負った影子がいる

・「内なる子ども」が私たちの認識、感情、思考、行動の多くを決めている

ポジティブな刷り込みよりもネガティブな刷り込みのほうが、大人になってから大きな影響を及ぼします。

なぜなら、子ども時代に受けた侮辱や傷を二度と味わうことがないように、「内なる子ども」がいろいろな対策をとるようになるからです。

また、「内なる子ども」は、子ども時代に満たされなかった「守ってもらいたい」「認めてもらいた」といった願望を、大人になってから満たそうとするようになります。

子どものことの不安と渇望は、大人になってからも無意識下で作用しているのです。

無意識が渡したの経験と行動の80~90%を操っているということは、科学的にも証明されています。

日向子と影子はどちらも、「内なる子ども」といわれている人格の一部であり、無意識を象徴するこのです。

・繰り返し問題を起こすのは、心の中の影子の部分

子ども時代にとてもつらい経験をした人は、日向子を表に出すことがなかなかできなくなっています。

そのような人は、とくに日向子を伸ばしていきましょう。

もちろん、影子を慰めていくことも忘れてはなりません。

そうすれば、影子は自分のことをきちんと見てくれていると感じて落ち着き、日向子に出番を譲れるようになります。

影子の部分を意識せず、それゆえ省みないままでいると、問題がおきやすくなります。

・基本的信頼感が育まれた人は、自分に対する信頼感ももっている

子どもにとって、誕生後の2年間は親の行動に頼るしかない時期であるため、この時期に基本的信頼感もしくは基本的不信感が生まれます。

「基本的」と付いているのは、その感覚を生み出した経験が、生きて行く上で基盤となるとても大切な経験だということを表しています。

それらの経験は心身の奥深くに刻まれるのです。

基本的信頼感が育まれた人は、意識の深いところで、親に対する信頼感だけでなく自分自身に対する信頼感も持っています。

これは、親以外の他者を信頼するための前提条件になります。

一方、基本的信頼感が育まれなかった人は、意識の深いところで自分自身を不安定に感じ、周りの人に対しても不信感を抱きやすくなります。

また、基本的信頼感が育まれた人は、日向子モードになっていることが多いのですが、基本的信頼感が育まれなかった人は、心の中で影子の存在が大きくなっています。

・自分の嫉みや劣等感を認めることができないと、相手を攻撃してしまう可能性がある

内省する人は、自分の陰の部分もわかっているため、より意識して自分の考えや感情にうまく対処していけるのです。

自分が相手に共感できなかったときに、相手の感じが良くなかったからなのか、あるいは自分は相手の成功を妬んでいるからなのか、見極めることができます。

そして、自分のねたみを認めた場合には、相手の心を傷つけるのは決してフェアではないと考えられるようになります。

逆に、自分の嫉みや劣等感を認めることができないと、相手を攻撃してしまう可能性があります。

内省して自分を知ると、自分自身の問題を解決できるだけでなく、他者とうまく付き合っていけるようになります。

・基本的欲求=「結びつき欲求」「自由欲求」「快感欲求」「承認欲求」が満たされると気分がよくなる

人間の心理的な基本的欲求は、生理的な基本的欲求と同様、歳を重ねてもあまり変わりません。

そのため、何歳であっても気分の良し悪しは、生理的欲求のみならず心理的欲求も含めた基本的欲求の一つ以上に関係していると言えます。

基本的欲求が満たされると、気分がよくなり、基本的欲求の充足が妨げられると、気分が悪くなるものです。

心理的な基本的欲求とは、以下の4つになります。

結びつき欲求
自由欲求
快感欲求
承認欲求

私たちがストレスや苦しみ、怒り、不安を感じるときには、つねに基本的欲求が関係しています。

・「結びつき欲求」=つながりたい、属したい、関わりたい、が満たされないと結びつき能力が低下する

人間は、生まれてから死ぬまで「結びつき欲求」を持っています。

「結びつき欲求」が満たされず、欲求不満に陥ると、その子どもの精神的発達にさまざまな影響が及んできます。

ほとんどの場合、「結びつき能力」が低下します。

その結果、大人になってから他者との密接な結びつきを避けたり、繰り返し壊したりするか、あるいは他者との結びつきにしがみついてパートナーに依存したりするようになります。

・「自由欲求」=自分の周りを自分で自由に探り、何かを発見したい、が満たされないと主体性の成長が妨げられる

人間は生まれながらにして探索する衝動をもっています。

そのため子どもは、できるかぎり独りでやってみようと頑張り、親の手を借りずに成し遂げることができたら、自分をとても誇らしく思います。

しかし、自由に行動したりという子どもの欲求が親から妨げられ、満たされないこともあります。

とくに、子どもに指示ばかりして、子どもの行動を厳しく制限するような親は、子どもの主体性の成長を妨げしてしまっているのです。

そのような子どもは、親か過剰に心配されコントロールされた経験を心の中に刷り込んでいきます。

そして、自分自身の能力を信じることができなくなり、後の人生で自分の行動に制限をかけるようになる可能性があります。

また、子どもにとって障害となるものを親が多く取り除くことは、それが善意であっても、子どもの成長にはむしろデメリットになるということも忘れてはなりません。

そうした過干渉の親に育てられた子どもは、大人になってからも主体性がなく、自分の責任を代わりに負ってくれる人に依存するようになります。

・社会の中で生き延びていくためには、快感と不快感を制御することを覚えていかなければならない

報酬の先延ばしや禁欲に耐えられる能力を得る必要があるのです。

ですから教育では、快感・不快感との適切なつき合い方を子どもに教えることがとても重要になってきます。

今の時代、物事を選択する瞬間がエンドレスにやってきて、その選択肢が必要以上に多くあるため、自制心は相当酷使されているはずです。

・自己価値観が不安定な人は、自己価値観が安定している人と比べて、物事を決定する際に他者からの承認を多く必要とする

私たちは、生まれたときから承認欲求をもっています。

自分のことを認めてくれる人がいなければ、誰とも結びつくころができないからです。

人間は他者という鏡を通して自分の価値を知るようにできているのです。

そのため、大人でも、他者から自分の価値を認められたいという欲求を持っています。

けれども、私たちが周りの人からの承認をどれほど必要とするかは、自己価値観によって変わってきます。

自己価値観が不安定な人は、自己価値観が安定している人と比べて、物事を決定する際に他者からの承認を多く必要とするのです。

不安定な自己価値観は影子に、安定した自己価値観は日向子に取り込まれていきます。

・ある人とのネガティブな経験が1つあると、その人との100のポジティブな経験が帳消しになる

人類の祖先にとっては、毒のなる植物よりも毒のある植物を覚えておくことのほうが重要でいた。

これを誤ると、死んでしまう可能性がありますからね。

そのため、脳は誤りや欠乏に注意を払うシステムになっています。

成功したことよりも失敗したことの方が思い出しやすいのは、こうした理由からでもあります。

また、このシステムには、すごく嫌な副作用がもう一つあります。

ある人とのネガティブな経験が1つあると、その人との100のポジティブな経験が帳消しになる、ということです。

ですから、今度あなたが友人など誰かにイラッとしたら、腹立たしい気持ちを募らせる前に、その人とそれまでにどれほど楽しい時間を共有してきたのか、改めてよく考えてみてくださいね。

・影子と一体化した自分に気付き「大人の自分」がいる現実に自分を引き戻す

影子モードになっても、すぐそのことに気付き、「大人の自分」がいる現実に自分を引き戻すことです。

私たちは、自分の影子と影子の信念について理解していたとしても、しょっちゅう影子の現実にとらわれてしまいます。

自分の問題を解決するためのあらゆる知識を得たにもかかわらず、その知識をときどき忘れてしまうのです。

・ネガティブな感情から抜け出すには、他のことに注意を向けるようにしてみる

気をそらすには、たとえば当たりを見回して赤色か青色の物を10個探してみるなど、強制的に注意を周りの物事に集中させていくのもいいでしょう。

他にも、アルファベット順に、そのアルファベットが最初に来る国名を挙げてみてもいいかもしれません。

また、手の平であなたの全身を軽く叩いたり、飛び跳ねたりする動作によって、ネガティブな感情を払い落とすこともできます。

私たちの身体と感情は密接に関連しています。

姿勢や身体活動を通じて自らの感情に影響を与えることができるのです。

・気難しい人の心の中には、ひどい傷を負った影子がいる

完璧な人間関係なんてありません。

私たちは皆、ミスをするし、思い違いもします。

ですからあなたにも、自分自身と他者の「不十分さ」に対して、できるかぎり寛容になりましょう。

攻撃と心の狭さは、まずはあなた自身を痛めつけます。

あなたの気分を下げ、人間関係をストレスフルなものにしてしまうのです。

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