『本当に頭のいい子を育てる 世界標準の勉強法』
(茂木健一郎 著)
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・「探究学習」は地頭を良くする
・探究学習を経験した子は、試験の成績も上がる
・探究学習の第一歩は探究する課題を見つけること
・早いうちからネットに触れさせることで探究させる
・すぐに人に聞いてしまう人は、まず探究学習の基礎ができていない
・答えが用意されていない「問い」に対して、正しいと思われる「答え」を導き出すことが目的
・「超地頭力」を鍛える5つの習慣「探究心」「続ける力(グリット)」「集中力」「記憶力」「思考力」
・続ける力(グリット)は後天的に鍛えられる
・集中力を鍛えるには「鶴の恩返し勉強法」
・本当に頭のいい子の親が家庭でやっていること
・「探究学習」は地頭を良くする
AIに太刀打ちできないとなると、人間に求められるのはAIが苦手な分野。
新たな分野を開拓したり、今まで誰もやってこなかったアイディアを実現したり。
そこで「思考力・判断力・表現力」が必要になってくる。
これは地頭の良さが問われる。
地頭をよくするのが「探究学習」
・探究学習を経験した子は、試験の成績も上がる
京都の公立高校、堀川高校。
「堀川の奇跡」
2002年に、前年度6人だった国公立大学減益合格者が、いきなり106人。
京都大学にも6人合格。
なぜか。
1999年4月、堀川高校では教育改革によって、探究科が設置された。
生徒たちの興味関心を引き出す探究学習を導入し、楽しく学べる学校を目指した。
今では、普通科・探究科、現役・浪人合わせて50人から70人弱が京大や東大に進学。
探究学習をどれくらい行ったかということが、その子の地頭の良さにつながってくる。
つまり、探究することは脳の基礎体力を養うようなもの。
・探究学習の第一歩は探究する課題を見つけること
自分が興味や好奇心を持ったことをとっかかりにしていけばいい。
好奇心が生まれる過程は「評価原理」によって説明できる。
外界からの刺激を認知的に処理して、その結果として感情が生まれる。
感情が生まれるためには、ある程度学習して経験を積むことが必要。
好奇心が生まれると脳内でドーパミンが放出される。
ドーパミンが出るに至るまでの段階、つまり「ドーパミンの上流」に達するためには「学びの枠組み」をつくり、自分の中で評価が生まれなければならない。
そのためにはいろいろなものに接し学習して経験を積むことが大事。
・早いうちからネットに触れさせることで探究させる
ネットがあれば、たいていのことは調べられる。
ネットは探究学習にとって必須。
ネットにリスクはつきもの。
リスクを恐れるあまり、子供からネットを遠ざけている方が問題。
今の時代においては最先端の情報はネットにある。
なるべく早いうちからネットに触れさせないと、一番の伸びしろが手に入らないのではないか。
・すぐに人に聞いてしまう人は、まず探究学習の基礎ができていない
探究学習ができる子は、「英語の原書を読みましょう」といわれたら「じゃあ、読んでみよう!」と思って自分で本を探す。
自分で探しに行く時点からすでに探究は始まっている。
人に聞くよりも自分で探した方が、自分の興味や好奇心を刺激してくれる本が見つかる。
分からない単語が出てきたら、辞書を引く、読み進める、音読する、黙読する、繰り返す、少しずつ読む、そういったことを探り探り自分で決めていけるのが、探究学習ができる子。
最初は、ほとんどの子が自ら探究することはできない。
・答えが用意されていない「問い」に対して、正しいと思われる「答え」を導き出すことが目的
堀川高校での探究学習の中心は「探究基礎」
そのための手法として、知りたいことを具体化し、情報を集め、そこから得られた「答え」が正しいか検証する。
・「超地頭力」を鍛える5つの習慣「探究心」「続ける力(グリット)」「集中力」「記憶力」「思考力」
探究するテーマが見つからない場合、方法のひとつに「子供が昔興味を持っていたことを思い出させてあげる」というものがある。
・続ける力(グリット)は後天的に鍛えられる
グリットとは、成功者が共通して持つ能力のことで、知能指数の高さや学歴は関係ない。
困難があっても、続ける力
情熱をもって取り組む粘り強さ
夢や目標に向かってがんばり続けること。
何年にもわたって努力し続けること。
行為自体が楽しいと思える人は、周りがどんな状況であれ、幸福でいられる。
喜びの基準を自分の中でつくるには、試験などの他者の基準を突破することを目指すのではなく、自分の基準を大事にして、自分に対して細かく報酬を与えていけばいい。
・集中力を鍛えるには「鶴の恩返し勉強法」
その1 「速さ」
速さを意識して勉強するには「タイププレッシャー」が有効。
自分の作業に制限時間を設けること。
その2 「分量」
とにかく圧倒的に学習の作業量を多くすることで、集中力を持続させる。
ずっと何か作業している状態というのは、集中力維持にはとても効果的。
ただし、勉強時間が長ければいいというのではなく、大切なのは、「長さ」ではなく「量」
その3 「没入感」
没入感とは、時間が経過することも感じず、周囲の雑音もはいらず、我を忘れるほどに集中している状態。
しかも集中しているにもかかわらずリラックスして楽しんでいる状態。
そのときに最大のパフォーマンスを発揮する。
まさにフロー状態。
フローという概念を提唱したミハイ・チクセントミハイによれば、フロー状態に入るには「スキルと課題の難易度」がつり合っていること」が重要
少し頑張ればできるくらいの難易度の課題を設定すればいい。
すると脳は本気になり、自分を忘れて課題に取り組み始める。
その課題をクリアできると成功体験が得られる。
成功体験を経験すると、脳から報酬系びっしつであるドーパミンが放出されるため、その行動を繰り返したくなる。
また、脳は、前にクリアした課題よりもう少し難易度の高い課題に挑戦すると、さらに大量のドーパミンを放出するようになる。
仮に最終的な目標が大きくても、目の前の課題のハードルを少しずつ上げて、フロー状態に入りながら楽しく、最終的な目的にたどり付けるようになる。
・本当に頭のいい子の親が家庭でやっていること
子供の好奇心には、口を出さず、見守る、応援する
そのときどきの興味を認めてあげる
一流のものに触れさせるのも探究学習のひとつ
家の中に「好奇心のフック」をたくさん置いておく
親の育て方よりも「属する集団」が子供の成績を決める?
子供自身が興味を持つことに基準を置く
受け身の学校教育から少しだけ距離をとる
スマホが探究学習の入り口になる
「~しなさい」が脳の「やる気の回路」を邪魔してしまう
子供自身が自分の時間のマネージャーになる
親に聞くよりも、自分で調べる子に育てよう
16万人調査で判明。「家に本が何冊あったかで学力が決まる」
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