『子どもの心を強くする すごい声かけ』より

学級経営

『子どもの心を強くする すごい声かけ』
(足立啓美 著)
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・親の声かけが、長期的に子どもの心をストレスやうつから守る
・ネガティブ感情は否定しないで受け止める
・ネガティブ感情は言語化する
・子どもが興奮を沈静化させる「カウンティング」
・ネガティブ感情が頭にこびりついているときは感情を書き出す
・物事のとらえ方に気づく
・ネガティブオウム
・ポジティブな見方に変えるには
・24の強み

・親の声かけが、長期的に子どもの心をストレスやうつから守る

(セリグマン博士の研究)
コントロールできない物事自体が問題ではなく、それを自分ではどうにもできないという経験を繰り返すことで、解決に向けての行動をしなくなる」ということ。

これこそが「学習性無力感」という概念。

親や養育者からの声かけは、困難や逆境に対する心の耐性を高める、最大の「心の予防接種」

・ネガティブ感情は否定しないで受け止める

子どもが抱いたネガティブ感情を否定せず、親としてどう受け止め、どう声かけをするか?

それによって、その後の子どものレジリエンスに大きな差が生まれる。

ネガティブ感情は進化論的に、生存本能として私たちが自分の命を守るために存在している。

このような重要な役割あるため、人はネガティブな感情を感じやすく、ネガティブな出来事がより頭に残りやすい。

これを「ネガティブ・バイアス」と呼ぶ。

・ネガティブ感情は言語化する

子どものネガティブ感情を受け止めたあと、「子どもの気持ちを言葉にしてあげる」

それでその出来事から少し距離を置くことができ、出来事へのストレスを軽減し、気持ちが楽になる。

また、子どもは自分の気持ちを正しくわかってくれている、受け止めてくれていると感じ、傷ついた心を癒やすことができる。

・子どもが興奮を沈静化させる「カウンティング」

まず、ストレス反応を起こしている脳を落ち着かせるため、手をぎゅっと握る。

子どもの感情を言葉にして伝え、「そのむかむかを、ハ~って、出しちゃおう」と言いながら大きく息を吐き、深呼吸を一緒に行う。

子どもの気持ちに共感し、どうしたらいいかを一緒に考える。

深呼吸と同様に数をゆっくり数える「カウンティング」も効果的。

外国語でやるとさらに効果的。

脳が戦闘状態のとき、体に触れることは、役立つ場合と役立たない場合がある。

・ネガティブ感情が頭にこびりついているときは感情を書き出す

自分にはどうにもできない出来事ばかり考えてしまい、ネガティブ感情からなかなか抜け出せない状態を「反芻」と呼ぶ。

ネガティブ沼からの脱出法

1 ゆっくり深呼吸

息を吐く。シャボン玉を作ったり、紙を吹き飛ばしたりする。

雲を吹き飛ばす。寝転んでお腹の上にぬいぐるみを乗せ上下させる。

2 気持ちを書き出す

感じている書き出すこと自体に、心を落ち着かせる効果。

自分の気持ちに気づく。

書けない、書く気分ではないときには、クレヨンで画用紙に思いのまま書き殴るのもよい。

3 体を動かす。

おもしろいダンスなど

4 音楽を聴く

子どものお気に入りの音楽がおすすめ。

5 夢中になれることをする

・物事のとらえ方に気づく

物事をどうとらえているのか気づかせるような質問、ポジティブなとらえ方に変えていけるような声掛け。

悲しんでいるときや落ち込んでいるとき、噺ができるタイミングをみて「頭の中でどんな声がする?」「どんなことが頭に浮かんでいる?」「自分になんて話をした?」といったかたちで質問をしてあげる。

子どもたちに状況の捉え方を聞くことで、そのとらえ方を変えていくことができる。

・ネガティブオウム

1 非難オウム 人のせいにする 怒りを感じている

2 あきらめオウム 自分にはできない チャレンジしない 無気力 不安

3 心配オウム 未来のことを心配しすぎ ネガティブな結果を思い込む 不安 恐れ 孤独

4 正義オウム まちがっている、公平じゃないと感じると怒りや嫌悪感を抱く

5 無関心オウム 今がよければよい 問題に背を向ける

6 罪悪感オウム 自分自身が悪い 自分を責める

7 敗北感オウム 他人と比較して劣っている 劣等感 憂鬱

・ポジティブな見方に変えるには

1 別の見方をしてみると

あこがれの○さんならどう考える?

2 より現実的な見方をしてみると

それってほんとう?

3 落ち着いて広い視野で見てみる

○緊張して不安になることは誰にでもある
 だからといって失敗するとは限らない

 シュートは決められるときもそうでないときもある
 でも何度もシュートを決めてきた

 試合にならないと相手がどれくらい強いかわからない
 ベストを尽くすことが大事

 シュートが決められないと自分も仲間もがっかりする
 しかしまた一緒に練習して強くなれる

 サッカーはチームで力を発揮するスポーツ
 精一杯がんばることは大事だが、一人だけの責任にはならない

・24の強み

1 好奇心
2 向学心
3 創造性
4 全体を見渡す力
5 やわらかい頭
6 誠実さ
7 熱意
8 がんばり続ける力
9 勇敢さ
10 愛情
11 人とかかわる
12 思いやり
13 公平さ
14 チームワーク
15 リーダー湿布
16 広い心・許す心
17 自制心
18 思慮深さ
19 つつしみ深さ・謙虚
20 感謝
21 希望
22 美しさを感じる
23 見えない力を信じる
24 ユーモア

同じことをしていても、子どもたちがそれぞれあらわす「強み」は異なる。それらを伸ばすために、子どもの強みに注目した声掛けをする。

問題行動に強みがあらわれることもある。

こんなとき、子どもは自分らしさを否定されたように感じる。

しかし、強みを発揮したことが問題ではなく、発揮の仕方に問題があるということ。

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