『心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」』より

仕事術

『心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」』(名越 康文 著)
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・幸福な時間に執着するとストレスになる。幸福感は時と共に流す。
・ストレスから逃れるための本当に効果的な方法は、おそらく集中直を高める訓練以外にはない。
・集中力を高める訓練として効果的なのは、朝起きたら深く深呼吸して、次にできるだけ1つひとつの行動を意識化して、集中する
・自動操縦(習慣の力)が自分の行動を意識化することを妨げる
・アクセルを踏みながらブレーキを踏んでいる日常
・一生懸命頑張ってもどこか力が出切らないと感じたら「アクセルと同時にブレーキを踏んでいるのではないか」と考えてみる
・僕が臨床的にみて確信するのは、人間が最もエネルギーを浪費するのは感情的になった時
・感情的にならないためには、とにかく自分の感情を客観視する。
・まず、1日に1分だけ集中してください
・「これもまた過ぎ去る」
・「やりたい仕事」ではなく「与えられた仕事」をできるだけクリエイティブにこなそうとする姿勢をもつ

・幸福な時間に執着するとストレスになる。幸福感は時と共に流す。

リゾートに5泊6日の旅。

最初の3日間は心から幸福を謳歌。

ところが、4日目くらいから「明後日、帰らなきゃいけない」ってことを意識し始める。

すると「イヤだなあ、帰りたくないなあ」って、一日中ずっと気持ちのどこかでうつうつとしている人がよくいる。

効果的な気分転換の時間を取れたと思っても、その楽しかった時間への執着が起こるとストレスに転化するかも。

「今、ここ」で起きた幸福感を、そのまま時と共に流していかなきゃいけない。

幸福は絶対に過ぎ去るもの。

楽しかった時間が終わって、その後寂しくてモヤモヤしていたら、心の疲労は差し引きされてちっても解消されない。

・ストレスから逃れるための本当に効果的な方法は、おそらく集中直を高める訓練以外にはない。

・集中力を高める訓練として効果的なのは、朝起きたら深く深呼吸して、次にできるだけ1つひとつの行動を意識化して、集中する

ボヤッとしたネガティブな段階に入ると、僕たちは頭の中でいろんな思考が湧いてきている。

頭の暴走は意志の力が弱くなった状態で起こりやすい。

その暴走は自分の意識で止めるしかない。

一番効果的だと思うのは朝の過ごし方。

朝、起きてから1時間の間に、どういう風に準備ができるか、意識を上げられるか。

ベッドから起きたら深く呼吸して、次にできるだけ1つひとつの行動を意識化して、ちょっと集中してみる。

これだけで、1日の気分がずいぶんクリアーなものになってくる。

・自動操縦(習慣の力)が自分の行動を意識化することを妨げる

今日は仕事に行くの、嫌だなあ、そんな思い気分を抱えていても、自動操縦で、パンにバターを塗って食べたりすることができる。

自動操縦のせいで、集中する能力が鍛えられない。

だから、目の前のことをしながらも、その合間に様々な空想やイメージが差し挟まれてゆく。

知らず知らずのうちに、エネルギーが消費されてしまう。

その中には、ずいぶんとネガティブな思考も感情も含まれているので「無意識に自分を傷つけていく」

・アクセルを踏みながらブレーキを踏んでいる日常

僕たちは日常の中で、確かにアクセルを踏んでいるんだけど、無意識にブレーキも2割ぐらいの力では、平気で踏んでいる。

それが例えば、ネガティブな気分に心がぼんやり支配され、集中力が落ちている時。

満足な結果も出せないし、すごくエネルギーを浪費している。

・一生懸命頑張ってもどこか力が出切らないと感じたら「アクセルと同時にブレーキを踏んでいるのではないか」と考えてみる

僕は、自分がモヤモヤした気分に覆われていると思った時、「とりあえず自分の前のことにちゃんと取り組もう」と思い直す。

そうやって、自分がブレーキを踏んでいることに気付いただけで、その瞬間に、かなりブレーキが緩まる。

行動を意識化するだけで、そこから心の持ちようがずいぶん変わってくる。

・僕が臨床的にみて確信するのは、人間が最もエネルギーを浪費するのは感情的になった時

感情的になることは、要するに「怒りの感情を持ってしまう」こと。

イライラ、不安、恐怖、落ち込み、傲慢さ。

これらは全文、形を変えた怒りとも言える。

これらの感情がおこってくると、物事の捉え方がどうしてもネガティブになったり、周りに対して攻撃的になったりして、結果、自分をとことんまで疲れさせてしまう。

怒りや苛立ちを周囲の人間にぶつけた時、一番損をしているのは、実は感情的になった本人。

・感情的にならないためには、とにかく自分の感情を客観視する。

自分を苛む原因は外側に渦巻いているのだと決めつけないで、「すべては自分の心の中で起こっているのだ」と、とりあえずでいいから理解すること。

その認識を可能にするのが、この場合の観察力。

・まず、1日に1分だけ集中してください

例えば、昼食でご飯を食べる時、ひと噛み、ひと噛みをすべて意識してみてください、あるいは自体で机に一人向かった時に自分の腕をゆっくり上げながら、右腕を上げます、上げます、上げます、止めます、下ろします、下ろします、下ろしますと、これだけやってみてほしい。

1日1回でいいから。

それだけのことでも意識してやると、集中の感覚がどういうものか、自分の中に残る。

その瞬間は、本当に、右腕を上げました、下ろしましたという、「今、ここ」のことだけに集中しているので、心に湧いてくる暗くて思い思考が、その最中だけは確実に締め出されている。

そして、その瞬間にフッとラクになる。

こういう小さなエクササイズを通して、「なるほど、集中ってこんな感じなんだ」と徐々に分かっていって欲しい。

・「これもまた過ぎ去る」

これは僕の座右の銘のひとつ。

スーフィズム(イスラム教の神秘主義哲学)の説話に出てくる言葉。

言わば、諸行無常を公的的なニュアンスで捉えたような言葉。

つまり「幸福なこともまた過ぎ去るもの」である。

だけど一方、「苦しみもまた同じように過ぎ去るもの」である。

辛いことや悲しいことにも、必ず終わりがある。

このことを肝に銘じておくと、それだけで僕たちはずいぶん救われるはず。

・「やりたい仕事」ではなく「与えられた仕事」をできるだけクリエイティブにこなそうとする姿勢をもつ

どうすれば僕たちは仕事を面白くしていけるか。

仕事をするには工夫がいる、と考える。

与えられた仕事をそのままするのではなく、何かの創意工夫をしてこそ、自分の仕事だという感覚を初めて持てるんじゃないか。

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