『生きてるだけで150点!』より

学級経営

『生きてるだけで150点!』(小西 博之 著)
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・「幸せ」と「不幸せ」は50対50
・起こったことを受け入れ、そのうえで前向きに考えることで、一気に楽になった
・「壁のもう一歩先」を考えていると、その手前にある壁はすんなり越えられる
・心が「病気から治るんだ」というポジティブ・モードになると、それは必ず病に侵された体にも良い影響を与える
・頑張らないことが、いまの苦しみを一気に解決する方法だったりする
・「生きてるだけでいいんだよ」と勇気づけてあげさえすればいい

・「幸せ」と「不幸せ」は50対50

欽ちゃんには公私にわたり本当にお世話になったのですが、彼が常々口にしていたのが「人生 50 対 50」という言葉でした。

なにが 50 対 50 なのかというと、「幸せ」と「不幸せ」です。

欽ちゃんは事あるごとに「小西、このふたつは同じように来るんだよ」と僕に説いてくれました。

どんな人にも「幸せ」は起こります。同様に「不幸せ」も訪れます。

欽ちゃんは、「人生はその繰り返しだ」と言うのです。

・起こったことを受け入れ、そのうえで前向きに考えることで、一気に楽になった

それまでの3つの病院では「いまさら来ても手遅れ」「耳鳴りは我慢していくしかない」としか言ってもらえませんでしたが、その先生は違いました。

「小西さん、今日は来て良かったですね」とおっしゃるのです。

「日本一の名医」といわれる先生が「来て良かったね」と言うのですから、当然右耳は治ると思いました。

しかし、先生がおっしゃったのは、「君の右の耳にはスズムシが棲んでいるんだ。人生をまっとうするまで可愛がってあげるんだよ」という言葉。

その言葉を聞いた瞬間、頭の中を埋め尽くしていた絶望がパッと消えて、希望に変わったのです。

そう、起こったことを受け入れ、そのうえで前向きに考えることで、一気に楽になったのです。

起こってしまった病を受け入れず、なんとかして「なかったことにできないか」とあがくことが苦しみを生んでいたことに僕は気づきました。

欽ちゃんに教わった「悪いことも受け入れないといけない」という人生訓がようやく僕の血肉になった瞬間でした。  

・「壁のもう一歩先」を考えていると、その手前にある壁はすんなり越えられる

多くの人はなにか障害があると、その壁のことしか考えず、壁だけを凝視してしまいます。

しかし、本当に大切なのは、壁を乗り越えた後にどうするかということです。

「壁のもう一歩先」を考えていると、その手前にある壁はすんなり越えられるものです。

そして、壁を乗り越えて楽しい気持ちでいる自分をイメージしてワクワクしていれば、それは心にも体にもプラスに働きます。

この「一歩先」を考えるということが、人が困難を乗り越えるために非常に有効な方法のようです。

がんを治そうとするこのときの自分も同じです。

目の前にある「がん」という事実にとらわれて、「死にたくない!」とだけ思っていては、おそらく僕は助からなかったと思います。

僕は「がんが治るのは当たり前のこと。そのうえで何をするか」という「一歩先」の未来を考えるよう心がけました。

・心が「病気から治るんだ」というポジティブ・モードになると、それは必ず病に侵された体にも良い影響を与える

入院中であっても朝起きたらきちんと歯を磨き、顔を洗って、髪を整えて、普段着に着替える。毎日ひげも 剃りましょう。

女性ならぜひお化粧をして、口紅をさしてください。

ついでに鏡の中の自分に向かって自分を褒めてあげてください。

「入院中でも普段通りにしてるなんて、俺はカッコいいなぁ」

「お化粧する心の余裕があるなんて、私って素敵だわ」

「がんになった自分が大好き!」

僕はそうしていました。

すると、気分がまったく変わって前向きになり、「よし、病気を治して元の生活に戻るぞ!」という気力がみなぎってきます。

心と体はリンクしています。

心が「病気から治るんだ」というポジティブ・モードになると、それは必ず病に侵された体にも良い影響を与えてきます。

・頑張らないことが、いまの苦しみを一気に解決する方法だったりする

野生動物は自分の命を脅かすような強敵と遭遇したら、何をおいても一目散に逃げ出しますよね。

生息している環境が悪化すれば素早く移動する。

それが生き物の本能というものです。

人間だけはそんなときでもその場にぐっと留まって立ち向かおうとして頑張り過ぎるようですが、それは自然の摂理に反しています。

人生で遭遇するあらゆる困難で、「どうも自分の手には余るな」と感じたら、その時点で、頑張るのをやめてもいいのだと思います。

頑張らないことが、いまの苦しみを一気に解決する方法だったりするのです。

目の前の壁からちょっと目をそらし、息をふっと吐いて気楽に構えていると、意外と別の道が見えてくるものです。  

・「生きてるだけでいいんだよ」と勇気づけてあげさえすればいい

世の中の親や教育者は、自分の人生の経験から、子どもたちに「将来はこうあらねばならない」とか「人間の生き方とはかくあるべきだ」「目標を持って一生懸命努力しないと、私みたいに苦労するよ」というような教訓を与えるのでしょうが、子どもにしてみれば余計なお世話です。

子どもにはいずれ、その子自身に与えられた「幸せ」と「不幸せ」がやってきます。

大切なのは、その子の人生の中で「不幸せ」がやってきたときに、子どもがそれを生きて乗り越えられること。

そんな元気な子どもに育ててあげることなのです。

僕たち大人は「夢を持て」とか「人の役に立て」なんて言わず、「生きてるだけでいいんだよ」と勇気づけてあげさえすればいいのです。

そもそも、人は生きているだけですでに他の誰かの役に立っています。

極端な話、朝昼晩と三食食べて、うんこをしているだけで人の役に立っているのです。

ご飯を食べたらお米農家の方の役に立っているし、魚を食べたら漁師さんの役に立っている。

うんこをしたら水道局の人の役に立っています。

生きている人間がいるから、僕たちの社会は回っています。

みんな生きているあなたを必要としているのです。

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