『頭を良くしたければ体を鍛えなさい-脳がよろこぶ運動のすすめ』より

仕事術

『頭を良くしたければ体を鍛えなさい-脳がよろこぶ運動のすすめ』
(陳冲 著,望月泰博 著)
https://amzn.to/30UbHSs

・定期的に運動することで自我消耗が起きづらくなる
・1年間継続的に運動することで、海馬が大きくなる
・たった今、5分身体を動かすだけでもいいんですよ!
・わずか4分歩くだけで今よりもクリエイティブになれる
・霊長類であるヒトが、これほど長距離を走ることに長けているのは驚くべき事実
・「気持ち良さを感じる」ことがオススメ
・体力があるヒトほど学力が高い
・体力があるヒトほど、仕事ができる
・運動すると、脳トレを練習していないのに、脳トレがうまくなる
・何度もセルフコントロールをして、意志力を使い過ぎた後にも、セルフコントロールが破綻しやすくなる

・定期的に運動することで自我消耗が起きづらくなる

意志力を調べるために被験者は、点追い課題→白クマ課題→再度、点追い課題を行う。

2度目の点追い課題の成績は、その前に行っている課題によって自我消耗が起こるため、1度目より成績が悪くなる。

意志力が強い被験者ほど成績は下がりにくいと予想される。

実験結果、被験者がジムに通った2か月の間、実験が進むにつれて1度目と2度目の点追い課題の成績の違いが小さくなったことがわかった。

さらに、ジム通いを続けた期間中、時間とともに、タバコ・カフェイン・アルコールの摂取量が減少し、ジャンクフードを避け健康的な食事をとる傾向が強くなり、衝動買い・無駄遣い・かっとなること・やるべきことの先延ばしが減って、きちんと学業に取り組む傾向が増し、流しが使用済みの食器で埋もれてしまうことも少なくなった。

・1年間継続的に運動することで、海馬が大きくなる

クレイマー博士らの研究では、55歳~80歳の被験者120名が、2つのグループに分けられが。

1年間週3回40分間きつめのペースでウォーキングを行うグループと、ストレッチや体操を行うグループ。

前者は体力が8%向上し、後者は1%向上した。

前者は海馬の体積が2.0%増加していたのに対し、後者は1.4%減少していた。

クレイマー博士は「1年間ウォーキングを続けた被験者は、通常およそ1年~2年で失われるだけの海馬を取り戻した。」と話す。

このような海馬の肥大に伴って記憶力が向上したことも報告されている。

・たった今、5分身体を動かすだけでもいいんですよ!

恒常的に脳機能を改善するためには、最低でも数か月継続して運動する必要がある。

しかし、数分~数十分の運動も、その後数時間にわたってさまざまな認知能力を向上させる働きがある。

・わずか4分歩くだけで今よりもクリエイティブになれる

スタンフォード大学のマリリー・オペッツォ博士とダニエル・シュワルツ博士。

被験者がランニングマシンの上を歩いている時と、椅子に座っている時のクリエイティビティー(創造性)を比較

4分以内に思いつくことができた「ある日用品のの創造的な使い道」の数で測定。

1グループ 2回とも椅子に座って測定
2グループ 1回目ランニングマシン、2回目椅子に座って測定
3グループ 1回目椅子に座って、2回目ランニングマシーン

その結果
歩行中はクリエイティビティーが高まる

1回目のテストでは2グループの被験者が他の2倍近く高くなった

2回目のテストで3グループの被験者の90%が、2回目でより高い成績を記録

対して1グループは有意な差が見られなかった。

さらに、歩行によるクリエイティビティーの高まりは、歩くのをやめた後も一定時間持続することもわかった。

2グループと3グループの2回目の成績に違いが見られなかった。

・霊長類であるヒトが、これほど長距離を走ることに長けているのは驚くべき事実

ヒトと共通の祖先を持つチンパンジーやボノボの身体は、樹上生活に特化していて、地上を長距離にわかって移動することには向いていない

同じ霊長類であるヒトが、哺乳類の中でも長距離を走ることに関して突出した能力を持つのは、特異的なこと。

・「気持ち良さを感じる」ことがオススメ

この本でオススメしたい運動とその方法

①何はともあれ有酸素運動

②5分だけでもかまわない

③なるべく早めの運動を

「午前中」あるいは「午後でもなるべく早め」の時間帯。

④できることなら自然のなかへ

⑤継続はやっぱり大事

⑥自分で効果を検証する

⑦気持ち良さを感じる

⑧ノリノリで身体を動かす

仮に、このリストの中から1つだけ選ぶなら、7番の「気持ち良さを感じる」ことをオススメします。

・体力があるヒトほど学力が高い

カリフォルニア州教育局による延べ88万人の小・中・高校生の学力と体力の調査では、

年齢にかかわらず、体力測定の結果が良い学生ほど学力テストの生成も良いことが報告されている

この傾向は学生時代に限らない。

スウェーデン、ヨーテボリ大学のジョージ・クーン博士らは、兵役のために優秀された120万人のデータを解析

18歳時の体力が高いヒトほど、その後の人生で良い職を得やすい傾向があることを報告

・体力があるヒトほど、仕事ができる

米ヘルスパートナーズ社のニコラス・ブロング博士が20歳~69歳の会社員683名を対象に行った調査。

体力があるヒトほど仕事の質が高く、しかも仕事のための努力感が少ないことが報告。

・運動すると、脳トレを練習していないのに、脳トレがうまくなる

継続的に運動すると、実行機能を構成するワーキングメモリー・抑制・認知の柔軟性を必要とする改題を実際に練習したわけではないのに、それぞれの課題の成績が向上することが知られている。

ワーキングメモリーは、情報を一時的に記憶し、それに変更を加えることを可能にする。

抑制は、行動・注意・思考をコントロールする働きをもつ。

認知の柔軟性は、必要に応じて思考や行動を柔軟に切り替えることを可能にする。

・何度もセルフコントロールをして、意志力を使い過ぎた後にも、セルフコントロールが破綻しやすくなる

意志力はどのような欲求や衝動を制御するかにかかわらず、まるでその源を同じくしているように働く。

このため、意志力を行使しすぎると、物事を理性的に考えるのが難しなり、感情的になって衝動的な行動を取りやすくなってしまう。

意志力を働かせすぎると、セルフコントロールが難しくなるという現象は、豪クインズランド対抱くのロイ・バウマイスター博士によって「自我消耗」と名付けられている。

バウマイスター博士らの研究から得られた教訓は、意志力を鍛えるためには、「やろうと思えば確実にできること」を選んで繰り返すのが好ましい。

「毎日運動すること」もこの条件を満たしている。

コメント

タイトルとURLをコピーしました