『自己肯定感が低い・傷つきやすい・人とうまくやれない それは、”愛着障害”のせいかもしれません。』
(中野日出美 著)
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・愛着障害とは子供と養育者との間の心理的な絆が形成されず、情緒や人間関係に何からの問題が生じること
・子供の愛着のタイプには4つある
・子供を愛着障害にする親のタイプは5つある
・人はネガティブな刺激でさえも求めてしまうことがある
・愛着再形成のために潜在意識の中に「安全基地」をつくり直す
・「安全基地」となってくれる人を見つけるポイント
・自分の中に「安全基地」をつくる方法
・愛着障害とは子供と養育者との間の心理的な絆が形成されず、情緒や人間関係に何からの問題が生じること
「愛着障害」が生きづらさの原因となっているケースが非常に多い。
愛着障害は克服することができる。
抑制型と脱抑制型に分類される。
抑制型は、人との関係において、過剰な抑制が見られるものであるのに対し、脱抑制型は、見慣れない人に対しても過度になれなれしい態度をとる傾向がある、というもの。
例えば
他人への信頼感や自己肯定感が育まれず、感情のコントロールができなくなる
良好な人間関係が築けず、過度な信頼と裏切りを繰り返す
過剰に傷つきやすいうえに、自傷行為などの問題行動を引き起こす
他にも、うつ病、心身症、不安障害、パーソナリティ障害などの要因に
・子供の愛着のタイプには4つある
①安定型
見知らぬ場所でも母親が一緒だと安心して遊び、見知らぬ人が入室して、母親が退室すると不安を感じるものの、再び母親が戻ると安心して遊び始める。
母子関係の中で安定した絆が育まれているので、つねに母親が一緒にいるわけではなくても、母親を「安全基地」として利用して過ごすことができる。
②回避型
母親が部屋の中にいても注意を向けず、母親が出ていこうとしても嫌がるそぶりをあまり見せない。
母親が戻ってきても、無視したり、避けようとしたりする。
子供は母親に心地よさや世話を求めても何の役にも立たないとあきらめてしまっている。
③両価型
母親が退室すると、すぐに不安や恐怖を示す。
母親が戻ってくると敵意や攻撃性を示すタイプと、呆然として無力感を示し続けるタイプに分かれる。
子供にとって母親は自分をいつも助けてくれ、守ってくれるものなのかどうか予測できない不安定な存在であることを示している。
母親との分離に対して、子どもたちは大いに苦悩するが、再会した後でさえも、安心できず、攻撃性や無力感をもつ続ける。
④無秩序型
母親のいるところでも不可解で矛盾した反応や行動を見せる。
たとえば、母親と再会したとき、背を向けながら近づいたり、その場に凍り付いたり、当惑した状態に陥ったり。
子供は親に対して、接近と回避という矛盾した衝動を感じている。
このタイプの子供の多くは、親から虐待を受けていたり、成心疾患、貧困、何らかの依存症などを抱えている親や家族をもっている
・子供を愛着障害にする親のタイプは5つある
①子供を寄せ付けない「氷の女王型」
②子供にまとわりつく「ドローン型」
③子供の心や体を傷つける「破壊型」
④頼りにならない「お子ちゃま型」
⑤子供を利用する「ヘンゼルとグレーテル型」
・人はネガティブな刺激でさえも求めてしまうことがある
じつは生き物というのは、温かくポジティブな刺激を得られなかった場合、可能であれば、ネガティブな刺激でさえも求めてしまうもの。
それほど、私たちにとって、刺激というのは不可欠。
交流分析では、この相手に与える、また、与えられる刺激のことを「ストローク」と呼んでいる。
そのストロークが足りなくなると、ネガティブなストロークでさえも自然とほしがるようになると言われている。
これが、心理ゲームを私たちがしてしまう理由。
「心理ゲーム」には「迫害者」「犠牲者」「救援者」という役割がある。
ゲームは3つの役割のうちのどれか1つの立場から入る。
やりとりをしている間に必ず、その役割が別の役割への交代する。
そして、混乱が続き、最後には嫌な気持ちが残ってしまう。
クライアント「夫との関係が悪くて、ストレスを抱えています」(犠牲者)
セラピスト「そうですが。ご主人と話し合ってみてはどうでしょうか?」(救援者)
クライアント「はい。でも、主人は私の話など聞いてくれませんから」(犠牲者)
セラピスト「では、誰か間に入ってくれる人などはいませんか?」(救援者)
クライアント「うーん。恥をさらすようなことはしたくありませんし…」(犠牲者)
セラピスト「しばらく離れて暮らすのはどうでしょうか?」(救援者)
クライアント「そんなことをしたら、子供がかわいそうじゃないですか!」(迫害者)
セラピスト「……」(犠牲者)
誰もが何かしらの「心理ゲーム」をしているものだが、愛着障害を抱えている人は、とくにたくさんの「心理ゲーム」をしてしまう。
「心理ゲーム」の度合いも深く、重いものとなりやすい傾向があり、人間関係で苦労しがちになる。
・愛着再形成のために潜在意識の中に「安全基地」をつくり直す
親と子供との間に確固とした心の絆が育まれていれば、子供は安心して親のそばを離れ、探索活動をすることができる。
親は子供にとっての「避難場所」であり、「安全基地」である。
しかし子供時代にこのような安全基地をもてなかった人、もしくは親の存在自体が「危険地帯」であった場合は、外を恐れ、新しいことに挑戦するのが困難になる。
「愛着再形成療法」は、心の深い部分である、潜在意識の中に何かしらの「安全基地」をつくり直す方法でもある。
・「安全基地」となってくれる人を見つけるポイント
①心から信じられる人を見つける
②安全基地になれる人となれない人を見極める
性格が穏やかで、自分自身をコントロールし、周囲の人たちといい信頼関係を築けている人
③きちんと自己開示する
その人には正直に自分のことを話す。
④とにかく相手のことを信頼してみる
⑤過剰な期待をしない
親しい間柄になったら「けっして傷つけられることはない」だとか、「相手は何でもわかってくれる」「自分と同じ価値観をもっているはず」などと思いがち。
でも、じつはそれこそが「裏切られた」「傷ついた」と感じる大きな原因の1つ
⑥ものごとを客観的に見るように心がける
・自分の中に「安全基地」をつくる方法
①自分だけの聖域をつくる
1人になれて、ゆったりとくつろげる時間を確保。
目を閉じて、ゆっくりと何度か深呼吸。
心の中で「だんだん落ち着いてきた。ゆったりとした気持ちだ。いい感じだ」と3回つぶやく。
20から1までゆっくりカウントダウン。
ゆっくり息をはく。
もっとも安全でリラックスできる場所を思い描き、その場所をできるだけ詳細にイメージする。
その中でもとくにゆったりと落ち着ける場所を探す。
そこに、大好きなソファーやベッドを置く。すっぽり守ってくれるカプセルや箱やポケットでも大丈夫。
ここはあなたの許可なくして、誰も踏み込むことはできない。
ここにいるとき、あなたは完全に守られている。
体も心も魂も癒やされる場所。
エネルギーを充電するところ。
いつでも、必要なときに、この場所にくることができることをあなたは知っている。
②理想の親を描き、心の中の小さな自分を癒やす
こんな人が自分の親だったらなあと感じる人をイメージの世界で親とする。
ドラマは映画の人物でもいい。
未来の自分でもいい。
イメージの中で、あなたが子供時代にしてもらいたかったこと、言ってもらいたかったことを「理想の親」にしてもらう。
③未来の自分からのメッセージに耳を澄ませる
未来の自分は今よりずっと自分に満足しており、周囲の人たちと温かな関係を築き、目標に向かい、希望をもって生きているはず。
未来の自分をイメージしたら、その未来の自分ならば、今の自分にどんなアドバイスをくれるか考える。
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